或るレールを渡る

そして通り過ぎて行く

【読書】夢をかなえるゾウ 感想

お疲れ様です。

 

夢をかなえるゾウ

夢をかなえるゾウ

 

ダメダメな僕のもとに突然現れた、ゾウの姿をしてなぜか関西弁で話す、とてつもなくうさん臭い神様"ガネーシャ"。聴けば、ナポレオン、孔子ニュートン、最近ではビル・ゲイツまで、歴史上のキーパーソンは自分が導いたという。しかし、その教えは「靴を磨く」とか「コンビニで募金をする」とか地味なものばかり。こんなんで僕は成功できるの!?

水野敬也さんの本「夢をかなえるゾウ」。

2シーズンに渡りドラマ化もされました(1作目は小栗旬さん、2作目は水川あさみさん。どちらもガネーシャ役は古田新太さん)。

この本のことは知っていましたが、普段あまり自己啓発系の本は読まないため、ずっとスルーしていました。

今回たまたま家の本棚にこの本があることを発見し(嫁さんと共用で使っているため、全く知らない本とかもあります)、読んでみるかという気になったので読んでみました。

本でも実際に書かれておりますが、成功するための1つ1つのポイント自体はよくある自己啓発本と何ら変わりません。例えば「人の良いところを見つける」だとか、「自分の得意な分野を見つける」とか。しかし、ガネーシャのキャラクターや、主人公との会話の軽快さで飽きずに最後まで読めました。

「せやな、たとえば、ニュートンくんっておるやろ?」

ニュートンクン?」

「そ、ニュートンくん」

「いや、わからないです」

「え!?自分知らんの!?アイザック・ニュートンやで」

アイザック・・・。ニュートン!そんなの知ってますよ。めちゃくちゃ有名じゃないですか。万有引力を発見した人ですよね」

「そや。そのニュートンや。彼も基本的にワシが育てたんやで」

「・・・冗談はやめてください」

「誰も冗談なんか言うてへんわ。だいたい、重力のこと教えたったのもワシやがな。あの子全然気いつけへんから、リンゴ落としたったんや。その落としたリンゴにも気いつかなんだから、結局、三回リンゴ落としたったもん。感の悪い子やったで」

基本的にこんな感じの会話で進んでいきます。こう見てみると、ガネーシャ役に古田新太さんはピッタリという気がしますね。

ドラマは見てませんでしたが、興味を持ちました。

 

自分の生活で改めないといけないと一番思うのは、「何かを捨てる」ということです。

1日の時間は当然限られていて、その中で新しく何かを始めようと思っても、今の生活の中ではそれを入れるスペースなんてありません。

最初のうちは自分もやる気があるので少しはできますが、それを日常にするためには、今まで使っていた時間のうちどれかを捨てて、そこに当てはめるしかありません。

「本を読むぞ」とか「毎日勉強するぞ」とか思っても、仕事から帰ってからなんとなくテレビを見たり、ネットサーフィンしてしまう。その時間も、わざわざ有限の中の時間を使ってそれをしているんですよね。

更に、それをするためには意識を変えるだけでは意味がないとガネーシャは言います。

意識を変えるのは全く何も変わっていない。ただ自分に期待しているだけだと。

「みんな『意識を変えよう』とするやん?それなんでかわかるか?」

「さあ?どうしてですか?

「『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』て決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ?だってそん時は想像しとるだけで、実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、言うんは、言い方変えれば『逃げ』やねん」

意識を変えようとするのは『逃げ』。僕はそんなことを今まで考えたこともなかった。「1ヶ月で本を5冊読む」そう決めてこれから変わっていく僕の人生を考えるのは、確かに楽しかったし興奮した。でもそれが逃げだったなんて。

「それはある意味、自分に『期待』してるんや」

「期待、ですか」

「そうや。たとえば自分は『今月から本を1ヶ月に5冊読む』と決めても実際はできへんのに、未来の自分に期待してしまいよる。読める思てしまいよる」

確かに「◯◯をやる」と決めて興奮している時は、それを実際にやる時のつらい作業を忘れているのかもしれない」

「本気で変わろ思たら、意識を変えようとしたらあかん。意識やのうて『具体的な何か』を変えなあかん。具体的な、何かをな」

ガネーシャは繰り返すようにゆっくりとした口調で話した。

いやもう本当にガネーシャの言う通りです。

例えば本を読むためにインターネットサーフィンをやめるぞ!と思っても、その数十分後には携帯を触っている自分がいます。テレビをボーッと見ている自分がいます。

テレビを捨てる!とまではいかなくても、使わない時はコンセントを抜いておき、次に使う時になんとなくはONにできない環境にしていくだけでも効果はあるといいます。

茶店で勉強しようと思っても、結局携帯を触ってしまうので、思い切って携帯は家に置いていくようにして、まず環境を変えなければ意味がないと気が付きました。

逆に言えば、そういった誘惑がある状態では負けるのが普通で、意識のみでそれに打ち勝つというのは諦めた方が良いんですよね。

 

以上です。

よろしくお願いします。